あなたは家族の中でどんなポジションを取っていますか?
最近、家族問題のお話しを伺う機会が増えています。
ライオンや狼、サルやゾウなどの陸の生きもの、シャケやブリ、マグロやイカなどの海の生きもの。
自然界に存在するあらゆる生物は、群れで暮らすことで個が生き残る確立を上げています。
人間も動物と同じで、子どもが一人前になるまで家族という単位で生活をし、社会で力強く
生き抜いて行くために必要な知識や知恵、能力といった、いわゆる『生きる力』を家庭で
育んでいきます。
家族というものは、子どもたちが成長、発達していく過程で、最も影響を与える大きな環境となって
いるのです。
人間は自分の周りの環境に合わせて、自動的に脳内のニューロンを組み変えていく生きものです。
それは、子どもであっても同様で、家族や環境が持つ見えない情報を無意識に取り込んでいるの
です。
そして、家族の間では、その家族のエネルギーが平準化するよう、無意識の調整が働いているの
です。
例えば、家族の中に「いつもマイペース、人の言葉には耳を貸さない父親」がいるとしましょう。
その場合、他の家族メンバーは、その父親の放つ見えないエネルギーを感じとって、それに対して
バランスを取る方向へと、自らをポジションングしていきます。
例えば、頑固な父親に対して、妻は『何事にも控えめな母親』のポジションを取っていき、
『だらしなく責任感がない夫』に対しては、『しっかり者の母親のような妻』のポジションを
取っていきます。
そして、子どもたちは、親同士が埋められないポジションをいち早く察知して、そこに陣取り、
その役割を果たしていくのです。
家族や集団には一種の地場が働いていて、ある種の強弱、陰陽のエネルギー同士がセットになって
引き合い、互いにエネルギー交換しているのです。
そして、それぞれのエネルギーがちょうど良いバランスを取れるよう、見えない力を互いに察知し、
調整しながら関係性を生み出し、作り替えているのです。
私達が自分自身と感じているものは、個人としてのキャラクターというよりは、むしろ、
家族や属する集団の中で果たしている役割だったりすのです。
特に小さい子どもの場合、親同士がいがみ合ったり、背中を向け合ったりしていることで、
家族内でのエネルギーのバランスが偏っていたり、流れが滞っている場合、
無意識に家族のバランスを取ろうとして、 自分の存在を使います。
ピエロになって人を笑わせる。
体調を崩して、親や周りを心配させる。
過度に勉強やスポーツを頑張って、家族の希望の星になろうとする。
こうやって自分が犠牲となることで、 家族が有する場のエネルギーを調和の方向へ変えて
行こうとするのです。
涙ぐましい努力ですよね(T_T)
子ども達は、親が話している無意識の表情や仕草、声のトーン、姿勢や動作など、
身体から発せられる非言語的なメッセージやエネルギーを感じ取って、
それを自分の心の動機としているのです。
だからこそ、家族の問題に関しては、個人のあり方を見ていくだけでなく、その場で生まれている
エネルギーや世代間で連鎖している家族固有の未完了の問題にも目を向けていく必要があるのです。
家族は家族としてのひとつの顔を持ち、 家族としての人格を持っています。
もし、家族の中でたまたま誰か一人が問題児であったとしても、それは個人の問題ではなく、
家族全体が有する問題として、エネルギーのバランスやエネルギーの循環、関係性の中での役割等
見直していくべき点は多いにあるのです。
家族は社会の原点です。
家族の問題を解決し、ひとりひとりが幸せになっていくことは、社会全体が明るく幸せな社会へと
変わっていくこと。
家族に背を向けていては、私たちは本当の意味で幸せを手に入れることは難しいのかもしれません。
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